模型実験の文献
模型実験の理論と応用(第三版)
江守一郎・斎藤孝三・関本孝三共著
A5・297頁・本体価格5,000円
200年3月 三版一刷発行 2009年1月 三版二刷発行
各分野における模型実験を統一理論によって再整理し、新たな知見を加えた模型実験に関する総合書である。微分方程式あるいはパラメーター方式により導かれていた相似則を物理法則の確認と言う方法で見直した。
本著は江守がカリフォルニア大学(UCLA)で講義に使用していた英文テキストがベースとなっている。
第2版では日本で行われた模型実験例を加え、斎藤が実験を行った「火災と燃焼」部分を全面的に改訂した。
第3版では斎藤が理論部分をエンジニアリングの思想にまで踏み込んで書き直し、ほとんどの図を書き改めた。また、関本が行った二つの実験例を加えた。
[第1部 基礎理論]
1.模型実験
1.1 相似模型
1.2 模型実験の実用例
1.3 確認実験と量産実験
1.4 模型実験と数学モデル
1.5 自己相似
1.6 定性的相似模型
2.相似
2.1 相似の定義
2.2 基礎相似比と誘導相似比
2.3 物性値と物理定数の相似比
2.4 相似の厳密性
2.5 相似のパイナンバー表示
3.相似則の求め方
3.1 物理法則の確認による方法
現象の物理的解釈/物理法則の代表値表示/相似則/主要パイナンバー
3.2 微分方程式による方式とパラメーター方式
4.代表値
5.相似則の緩和
5.1 二次元的な物理法則の判別
5.2 特殊現象の相似
5.3 分割相似
時間的分割/空間的分割
5.4 集積効果の利用
時間的集積効果/空間的集積効果
5.5 解析的知識の利用
5.6 材料の物性値
二次的な物性値/ダミーウェイトによる密度の調整/ひずみ速度に影響を受ける応力
5.7 パイナンバーの独立性
5.8 相似則の適用範囲
6.実験結果のパイナンバー表示
7.著名なパイナンバー
7.1 基礎となる物理法則
7.2 アルキメデス数からy数まで
[第2部 実用例]
8.航空機
8.1 XC-142A型飛行機の風洞実験
8.2 ヘリコプターの運動
8.3 X-15型超音速飛行機の底面圧力
9.船舶
9.1 船の推進抵抗
9.2 砕氷船の性能
10.宇宙飛行船
10.1 アポロ司令船の飛行
10.2 アポロ司令船の大気圏突入
10.3 サターンSA-1型ロケットの曲げ振動
10.4 ロケット用燃料タンクの圧力上昇
11.車両機械
11.1 衝突後の自動車の軌跡
11.2 タイヤの静的ひずみ
12.構造物
12.1 吊橋の縦振動
12.2 鉄筋コンクリートフレームの破壊試験
12.3 自動車と道路標識および道路照明柱との衝突
13.熱機関と流体機械
13.1 ヒートパイプの定常性能
13.2 トルクコンバーターの特性
13.3 内燃機関の充てん効率
14.加工と処理
14.1 土壌の変形と処理
14.2 金属板の爆発成形
14.3 粒子の造粒
15.水の流れと沈殿
15.1 水の浸透
15.2 水中微粒子の沈殿
15.3 流れによる堆積物の移動
16.生物科学
16.1 脳震とうを起す危険角加速度
16.2 ほ乳動物の体格と生理
17.地球科学
17.1 地表に近い空気流れ
17.2 地下に堆積した塩の隆起
18.火炎と燃焼
18.1 液面火炎
18.2 クリブ火炎
18.3 滑走路における霧の除去
18.4 火災旋風
19.電磁気
19.1 電気炉内の溶融金属の運動
19.2 低導電性流体の不安定流れ
20.音響
20.1 吸音材による音の吸収
20.2 ミュージックホールの音響効果
付録/解答
掲載写真の拡大、カラー、載せ切れなかった写真は本HP写真集に掲載 正誤表
発刊 ■技報堂出版
Progress in Scale Modeling
(K. Saito Edited, Progress in Scale Modeling, Springer, 2008)
その他の参考文献
・模型実験の理論と応用 (初版) 江守一郎 DJ・シェーリング共著 1973年 絶版
・模型実験の理論と応用(第二版) 江守一郎著 1985年 絶版
・機械のはなし 江守一郎著 技報堂出版刊 1986年
・模型からの発想-新技術に挑むスピリット 講談社ブルーバックス 1985年